ラグビー「観戦力」が高まる
斉藤健仁
初めの方は超基本的な解説(トライや得点の説明など)から入っているのでてっきり初心者向けの本かと思いきや、ラグビーを見たことはあってもやったことのない人にはナンノコッチャわかりづらい、ターゲット不明な本。
一番役に立つのは、素人のお姉ちゃん向けに知ったかぶりをしてるオジさんが、今どきのラグビーを噛み砕いて話してあげる時の知識補強&理論武装、って感じ。
なんだ、まさしく私ではないか。
というわけで、結果から言うとなかなか面白い本でしたわ。あまりよくわかっていなかった「アタックシェイプ」もなんとなくつかめたし、確かに観戦力が上がる気がする。
ラグビーの基本であり、一番大切な「立ってプレーする」ことが何度も強調されていたのは好感が持てる。
逆に、反則の種類についてももう少し細かくてもよかったかもしれない。初心者は、反則があったときになぜスクラムとかペナルティキックとかいろいろあるのか、どういう時にそうなるのかわからないことが多いのではないか。悪質な、危険な反則(ファウル)には重いペナルティ=ペナルティキック〜イエローカード(シンビン)が課せられ、ノックオンやスローフォワードなど単純なミスやエラー(私は「ヘタクソ」と罵っている)にはほぼ同条件で競り合うスクラムが行われ、ボールは敵側に与えられる、ということである。
なぜ私がこのことを強調するかというと、これはビジネスや子育てなど日常生活でも活かせるからである。すなわち単なる間違いや失敗は経験を積めばその数は減るので強くは叱らないが、悪質で故意の反則・違法行為などに対しては厳しく責め、二度と行われないようにしなければならない、ということである。
マネジメントという意味ではエディ ジョーンズのインタビューも面白い。日本にはびこる「エリアマネジメント」という考え方(私が無意識に影響・洗脳されている上田昭夫もよく使っている」を否定しており(この否定自体は他誌などでも既出)、それを「日本の古い考えであり(中略)そういう言葉を使ってほしくない」とバッサリ。また「日本のオールドファッションの考え(エリアマネジメントのこと:俺註)だと自陣22m内ならキックをするとか、敵陣22m内に入ったらキックをしないとかあると思いますが、そうではなく、状況を見て判断する。」「モダンラグビーはオプションがたくさんあって(中略)相手、環境、レフリーなどすべての要素が関わって」それを臨機応変に駆使するものだという。現にオールブラックスのアタックの72%がアンストラクチャー(非構築的なもの=スクラムやラインナウトなどのセットプレイではなく、カウンターやターンオーバーからのアタック)からのものだそうだ。
そういうわけで、ラグビー経験者には読んで楽しい本でしょう。特に30歳代後半〜40代、50代以上のオールドファンに(エディのインタビュー部分だけでも)読んでもらって、古い固定観念、セオリーから脱却し、新しい日本代表がどんなラグビーを見せてくれるのか、楽しみながら声援を送ってほしいものです。
なんかこのように書くとエディ信者かと思われそうで癪なので、敢えて言っておきますが、私はどちらかと言うとエディに否定的です。このサイトの読者(いない)ならご存じとは思いますが、当初の就任時点から批判してきました。
ただ、今となっては、結果を出している。10連勝なんて言うのはどうでもいいが、ウェールズとイタリアに勝ったのは紛れもない事実だし、欧州遠征でルーマニアやグルジアに勝ったのもまた誰も成し得なかったことであるのは素直に認める。
だからこそ、見てみたいのである。2015ワールドカップはもう、すぐである。
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